「中小企業が管理職を育成していく上で、何に注意したら良いか!?」..このページでは、そのポイントについて説明したいと思います。

大企業と中小企業の違い

ひと口に“管理職”と言っても、大企業と中小企業とでは下記のような根本的な違いがあります。

【大企業の管理職】
 昇進試験をパスした者が成る

【中小企業の管理職】
 経営者が指名した者が成る

以下、この違いが管理職を育成する上で、どのような影響を及ぼすかについて説明します。

大企業の管理職

大企業で管理職を目指すなら、必ず、昇進試験という競争を勝ち抜く必要があります。この昇進試験で問われる事柄は、大まかに要約すると下記①②です。

①部下の管理方法を理解しているか!?
②会社の方針・計画を理解しているか!?

上記①は、会社ルールやそれに関わる法律等の周辺知識を問うものです。また、上記②は、経営者に成り代わって物事を判断したり、部下を指導していく上で知っておかなければならない事柄です。

これらを理解していない者は“振るい”にかけられ、昇進の道が閉ざされます。

言い換えると、大企業には(会社間でレベルの違いこそあれ..)、従業員に対し、“管理職として必要な知識・スキルを習得する努力を求めるしくみ”が備わっているのです。

中小企業の管理職

これに対し、中小企業では、数少ない従業員の中から、経営者に「優秀だ」と認められた者がある日突然指名され管理職に就任します。

役職の肩書も与えられ給料もアップするかもしれませんが、管理職としての職責を果たすために必要なスキルは、日々の仕事の中で醸成されたリーダーシップくらいに止まります。

つまり、部下の管理の仕方もよく分からず、事あるごとに経営者の意向を確認しなければ何も判断できない“有名無実な管理職”となってしまうのです。

管理職育成のポイント

以上より、中小企業が管理職を育成する上で重要なポイントは、大企業が昇進試験を通じて問うているような知識・スキルを、意識的に教育プログラムに組み込んでいく事です。

厳しい事を申し上げれば、“心がまえ論”的な自己啓発系の研修だけでは、よほど意識が高くて優秀な方でない限り、十分な効果を発揮しないでしょう。

本業以外で時間やコストをかける事について、望まれない経営者の方もいらっしゃるかもしれませんが、管理職がきちんと機能すれば、おつりが来るほど会社運営が楽になります。