「社会保険労務士は年金の専門家」..そう考えるのは早計です。このページでは、その誤解を解きながら、社会保険労務士の仕事のアウトライン(大枠)や選び方のコツについて記ます。

ヒト分野のスペシャリスト

社会保険労務士は、年金分野の法律だけでなく、労働基準法をはじめとする各種労働法にも精通し、労使トラブルを未然に防止したり、納得感のある賃金制度を考案する仕事も担っています。

端的に表現すれば、社会保険労務士は、経営資源の三大要素(ヒト・モノ・カネ)のうち、“ヒトの分野に関するスペシャリスト”とも呼べる有資格者のことです。

労務管理のアドバイザー

民法上、契約を交わす者同士が合意すれば、どんな内容であっても自由に条件が決められます。ですから、本来は経営者と従業員の間でどのような約束事をしてもOKなのです。

ところが、立場の強い経営者から立場の弱い従業員を守るべく、労働法が「お互いに合意した条件であってもダメ!」と、国家権力を背景とした強制的な修正をかけてきます。

労働法は義務教育では詳しく教えられていない..にもかかわらず、従業員を雇って会社経営する際には、知っていて当り前くらいの勢いで、その遵守を求められる..。

経営者の方が純粋に知らなかっただけなのに、その不備を指摘され“ブラック企業”の汚名を着せられたり、無用なトラブルに巻込まれる..それは、余りにも酷な状況です。

社会保険労務士は、このような状況を回避・打開すべく、労働法の知識をベースに“労務管理のアドバイザー”として中小企業経営者をサポートする役割が期待される者なのです。

様々なタイプの社会保険労務士

ひと口に「社会保険労務士」と言っても、その専門分野は様々です。

年金相談を中心に個人相手にビジネス展開している者、企業相手に社会保険関係の手続代行をメインに手がけている者、助成金の獲得が得意な者etc.

医療業界が内科や小児科等の分野に別れているように、実は、社会保険労務士も、いくつかのタイプに別れます。

もしも、社会保険労務士から最大のパフォーマンスを引き出したいと考えるなら、自社の問題を明確にした上で、その問題を専門に扱っている者を探してみて下さい。

そのひと手間が加わるか否かで、同じような報酬を支払っていても、全く異なる成果を享受することができるでしょう。

社会保険労務士を選ぶコツ

最後に、社会保険労務士(事務所)を選ぶ際のコツについて、もう一つふれておきます。

世間一般に、従業員を多く抱える大手事務所は、その仕事のレベルも高いと思われているようです。しかしながら、それは“事実”と言い切れるでしょうか..!?

従業員数が多いからといって、メンバー全てが社会保険労務士とは限りません(有資格者と無資格者による混成部隊の事務所であることが通常でしょう)。つまり、「事務所の大きさ」=「提供サービスのレベルの高さ」になるとは限らないのです。

実際の話、貴社が大手事務所に業務委託したとして、実務を担当してくれるのは誰でしょうか..!?

確かに、大手事務所は給与計算等の定型業務のアウトソーシング先としての安定感はあるかもしれません。しかし、悩ましい労務管理面の課題解決のための相談相手としてパフォーマンスを発揮できるか否かは、事務所ごとの従業員教育のレベルや社会保険労務士自身の日頃の努力に応じてバラツキがあるのです。

ですから、貴社が社会保険労務士事務所に求めるものが、難易度の高い労務管理面の“課題解決アドバイザー”なのであれば、「誰が自社を担当してくれるのか!?」も慎重に検討して頂くことをおすすめいたします。

なお、さくら経営支援室は、社会保険関係の手続代行も請負いますが、基本的には“課題解決アドバイザー型”の社会保険労務士事務所です。ご興味あれば、お問合せ頂けると幸いです。

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